2つの銀河は、見かけだけではなく、実際に近くにある銀河です。

しかし、その形態はまったく異なります。M65は、規則的な綺麗な形状ですが、M66は、いまにも崩れそうな不規則銀河。何か強大な力が作用して、その形を崩したように見えます。この2つの銀河がすれ違いざま、引力の影響を及ぼしあい、その形状を変化させたと仮定したらどうでしょう。実際には、近くにNGC3628もあるので、3ついっしょに考えねばならないかもしれません。


M66には、HII領域が沢山見えます。これは星の材料になる水素の塊。そこから新しい星が生まれます。そしてそのガスが吹き飛ばされると、ブルーの若い星々が現れます。このような活発な星形成領域を作るためには、なんらかの重力の不均衡が必要だと思われます(M82のページを参照のこと)。つまりこの銀河には、重力のバランスを崩すような巨大な斥力が働き、その結果が、このような活発な星形成領域を作ったといえると思うのです。


この異様な腕部の形状を見てください。巨大な力によって、上下にねじ曲げられているように見えますよね。



M66


M65は、多少腕がねじれたいる程度、あたかも年老いた老人のように見えます。NGC3628も同様。なぜ、M66だけがこんなにも活発な星形成領域を持ち、腕がねじ曲げられたのでしょうか?



M65


まったく推測の域を出ませんが、次のように考えたらどうでしょう。


どのような経路をたどったかはわかりませんが、M66は、M65とNGC3628の2つの銀河と同時にすれ違ったのではないでしょうか? M66を中心にして左右を他の2つの銀河が通り抜けたのです。そしてM66だけが、この2つの銀河から同時に力を受けたので、大きく変形したのです。一番大きな斥力がかかり星々の形成が盛んになったという推論です。


M65は、M66の影響しか受けなかったので、わずかに腕が変形したのみ。NGC3628も同様で、わずかにしか影響をうけなかったというわけです。まっ、あくまで推論です(笑)。



NGC3628

 
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