画像ストレージ


 撮影した画像、及び画像処理し完成した画像は、外付けハードディスク(バッファロー・HD-QSU2)に保存しています。このハードディスクはRAID5で構成されているので、ほぼ完全なデータ保護が実現されます。

 4つのハードディスクドライブで構成されますが、そのうちの1台のハードディスクが故障しても、稼働状態のままホットスワップで置き換え可能です。7万程度しましたが、この安心感は何ものにも代え難いものがあります。こういう機器は地味ですが、ここをきちんとしておかないと足下をすくわれます。

 バックアップという意味では、数ヶ月に一度、星居天文台をコントロールしているメインコンピューターの起動ディスクを、丸ごとバックアップしています。さまざまなソフトのインストールやセッティングの手間を考えると、これもとても重要なことです。実際には、このハードディスクに付属していた「Acronis True Image LE 」というソフトウェアーを使っています。ハードディスクの内容をすべてまとめたディスクイメージファイルを作ってくれるので、簡単にバックアップができます。



モニター


 画像処理をする上で、とても大切なのがモニターです。きちんとキャリブレーションされ、確実な「色」を表示出来ないと、苦労して仕上げた作品が、実際は酷い色だったということになりかねません。以前はアップルのシネマディスプレーを使っていましたが、現在は、EIZOのColorEdge CG241Wを使っています。

 多少高価ですが、「ここにお金をかけないでどうするのか」と言うほど大切な機器だと思います。何より時間の節約になります。Webサイトでの公開はもとより、プリンターに出力する際に、絶大な威力を発揮します。適切なプリンターを使うと、試行錯誤無しに、ほぼ画面で見たままの状態を出力することが出来ます。このモニターを導入する前は、ひとつの作品を印刷するのに、それこそ何十枚ものテスト印刷を繰り返し、調整する必要がありました。


 ここで注意しなければいけないのは、キャリブレーションの時の目標値です。モニター画面用と印刷用では、目標値の色温度とガンマが違います。モニター画面用のキャリブレーションを行った状態で印刷しても、同じ色調、明るさになりません。付属のColorNavigatorで目標値を変えてキャリブレーションをする必要があります。ColorNavigatorは、目標値とそれに対してのキャリブレーション結果(カラープロファイル)をセットで持っているので、目標値を切り替える度にキャリブレーションをし直す必要はありません。一度行っておけば、後は切り替えるだけです。もちろん、時間経過による変化がありますので、定期的にキャリブレーションを取り直す必要がありますが...

 悩ましいのは、普通はモニターと印刷の両方の用途があることです。その度にキャリブレーション結果のカラープロファイルを切り替えてやればいいのですが、それも面倒。私はあらかじめ、それぞれのモードで同じに見えるようにフォトショップのトーンカーブ調整レイヤーを作っておいて、それのON/OFFで対応しています。


 液晶のバックライトの均一性にも大きな違いがあります。星の画像はそのほとんどが黒ですから、わずかなバックライトの照明ムラがわかってしまいます。アップルのディスプレイでは、左右端共に50ピクセル位が明るくなり、しかも緑がかって表示されていました。このCG241Wでは、まったく均一に表示されます。




プリンター


 EPSONのPX-5500を使っています。以前は、CanonさんのPIXSUSを使っていましたが、染料系のインクということもあり、扱いに非常に苦労しました。染料系は、印刷してからどんどん色がかわり、1日程度経たないと正しい色になりません。鮮やかな発色という利点はあるのですが、僕は、今のPX-5500の顔料系インクの方が性に合ってるみたいです。顔料系の場合は、印刷してすぐに色の評価が出来るほど安定しています。印刷してすぐは黒が少し潰れ気味で、乾燥すると暗部のディティールが見えてきます。

 きちんとキャリブレーションして、色合わせが出来ているモニターと組み合わると、もう最強の出力機器になります。EPSONが提供しているプリンターのICCプロファイルを使って印刷すると、思ったとおりの色調に仕上がってくれます(自動補正ではダメですね)。

 また、 紙のハンドリングひとつとっても、繊細な気遣いを感じさせてくれます。印刷用紙を置く時は、ガイドが紙幅にぴったりなんですが、印刷する時には、ガイドを緩めて(少し広げて)、紙におかしなテンションがかからないようにしてくれます。このあたり、紙がセットしやすく、しかも精度よく給紙も出来て、よくわかってるな〜という感じです。


 ...といいつつCanonさんをフォローすると、Canonさんの顔料プリンターを私は使っておらず、そちらも、かなりいいかもしれません。

<HD-QSU2 1TB・バッファロー>

ずっと電源を入れっぱなしで使っています。書き込みスピードが多少遅く感じられます。これは1TBのタイプですが、ハードディスクの記録密度の進化は早く、年々安くなってきていますね。

 
 

<PX-5500・EPSON>

もう、新機種に置き換わってしまいましたが、とても頼りになるプリンターです。デザインが無骨ですが、とても信頼出来る働きをします。現在は後継機種が発売になり、発売完了となっています。

<ColorEdge CG241W・EIZO>

遮光フード付属で、部屋の蛍光灯のあかりが映り込みません。 自宅書斎でのショットですが、画面左上に、以前使っていたアップルのシネマディスプレイが見えています。

<ColorNavigator・EIZO>

モニターキャリブレーションには、付属のソフトを使用。モニター画面用と印刷用で調整目標を変える必要があります。

<フォトショップパラメータ>

ICCプロファイル:EPSON Photo Paper(G)...光沢紙

補正方法:知覚による

黒点補正:ON


<EPSONドライバパラメータ>

詳細モードにして、「ICCプロファイル」を選択

<印刷用目標値>

輝度:80cd/㎡

色温度:5000k

ガンマ:1.8

<モニター用目標値>

輝度:100cd/㎡

色温度:6500k

ガンマ:2.2