超新星爆発の残骸です。 爆発した東側にあたり、NGC6960が西側にあたります。

超新星爆発をおこしたのはこの2つの星雲のちょうど真ん中あたりだと思われます。この二つの星雲を含めた爆発の見かけ上の直径は、離隔2度半にも及びます。月が5個位入る広い領域です。


網状星雲といえば、「羽衣のようなベール状の天体」というのが普通の認識ですが、カニ星雲(これも超新星爆発の残骸)と同じようなフィラメントの微細構造をもっているようです。下の拡大した画像を見て貰うとわかると思いますが、一本一本のフィラメントに微細な穴のような構造も見えています。私自身、こんな構造が現れることを想像していなかったので、ビックリしました。色に関しても同様で、カニ星雲と同じように爆発の外側に緑、内側に赤があります。同じ原理で出来たことが良くわかります。



ベールには、微細なフィラメント形状が隠されていた!





部分的に面白いディティールが沢山あります。ここはガスのベールがこんなにも細い。もう少しすると切れ切れになるでしょう。この変化が追えたら面白いですね。


ところで、超新星爆発を起こすほど重くない星は、その最後で惑星状星雲を作ります。同じ夏の空に見えるM57などがそうです。この場合も、ガスが恒星から放たれるわけですが、超新星爆発とは逆の色になっているのが面白いですね。赤は水素。緑は酸素。青はヘリウムです。


  1. 惑星状星雲    (内側)← ブルー グリーン  →(外側)

  2. 超新星爆発    (内側)←  グリーン ブルー →(外側)



<M57・惑星状星雲>
超新星爆発とは、色が逆になっている


惑星状星雲は、外層から順番に、星の重力を逃れてガスが広がっていきます。よって、星の表層に存在する物質の順番通りにガスが形成されるのではないでしょうか。


それに反して、超新星爆発は、星の内部で一番大きな力が働きます。表層付近では、爆発の力も弱り、広がっていく力に差がでるのではないでしょうか。すると初速が変わり、広がっていく途中のどこかで、内部にあった物質が外側の物質を追い越すと考えることは出来ないでしょうか? その結果、赤と緑(ブルー)の順番が逆になったのではないかと思うのです。つまり、星の中心付近にあった物質が最終的には一番外側となったのではないでしょうか。


さらに、推理が飛躍しますが、内側のガスが外側のガスを追い越すときに、外側のガスを突き抜けていくことになり、沢山の穴?や複雑な構造を作るのではないだろうかと思うわけです。赤(水素)の層に後から来た酸素やヘリウムが沢山の穴をあけながらかき混ぜていく。それがフィラメントの微細構造なのではないでしょうか? 

惑星状星雲には、そのような特徴をもつ構造はどこにもありません。これはあくまで想像の域を出ない話しですが、そんな気がしてなりません。




 
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