＊Tips

 

すばらしい機能を持った画像復元プロセス



PixInsight

http://pixinsight.com/


通常、画像復元をすると輝星の周りには黒いリンギングが現れます。暗部はノイズが強調され酷いことになります。なので、フォトショップなどの後処理でそれらを消していくのが普通だと思います。しかし、PixInsightでは、画像復元プロセスの中で輝星のマスクを使いリンギングを防止出来ます。今まではフォトショップの後処理を前提に、このツールを使っていましたが、ここまで一発で出来るとは思いませんでした。



Deconvolutionプロセス


しかし、PixInsightでは、画像復元の過程で処理を行い、そのような欠点がでなくすることが出来ます。下の画像は、後処理なしに、画像復元プロセスを行っただけの画像です。

（GIFアニメーション化するときに、階調減が起きているので、画質が劣化してるのは差し引いて見てくださいね。）



M42　L画像　10分ｘ11枚 AutoStretchノーマライズ＋SigimaClip


以下に要となるパラメーターを書いておきます。僕の画像だとこのダイアログの値が適正でした。




考え方はこうです。まず３）で星マスクを指定し、星以外の領域に画像復元がかかるようにします。またこのままでは暗部のノイズが画像復元され、ひどい状態になりますので、１）Global darkによって、暗部の画像復元効果を弱くします。最後に４）Waveletでノイズ減を行うといった感じです。


  1. １）Global dark

  2. 　　暗部をどの程度、デリンギング（リンギングを目立たなく）させるか？


  4. ２）Local Deringing

  5. 　　これにチェックを入れて


  7. ３）ここでマスクファイルを指定

  8. 　　＊ここに輝星マスクを指定、白い部分が処理から外されます。


  10. ４）Wavelet ノイズリダクション

  11. 　　Poissonが良かったです。

  12. 　　マルチバンドシャープと同じで、画像を周波数毎にリダクションをかけます。

　



星マスクも作れます！


で、問題は輝星マスクをどう作るか？ですよね。

PixInsightの中には、StarMaskプロセスがあります。これが結構優秀でして、星のマスクや、星＋星雲のマスクを取り出すことが出来ます。パラメーターの試行錯誤は必要ですが、数値で指定出来るので、「程度」のコントロールがとてもやりやすいですね。





  1. １）Grown

  2. 　　その領域をどの程度拡張するか？


  4. ２）Midtone

  5. 　　どの暗さの星までマスクとするか？


  7. ３）Truncation

  8. 　　作られたマスクのハイライトを何処でクリップするか？

  9. 　　マスクの強さを指定するって感じですね。



中心部にM42のガス雲がありますが、見事クリアされてます



PixInsightは、非常にクセがありますが、使い込むほどに味が出る強力なソフトだと思います。