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処理全体の流れ


 実際の処理の流れとしては、次のような全体像になります。下ごしらえから出来上がってきたRGB各画像、L画像が入力になります。場合によってはHa画像もありますが、これはL画像に準ずると思ってください。









 あまり変わったことはやっていませんが、カラー画像にはSNを大切にするために、シャープネスフィルターをかけません輝度画像は、2種類の処理を行います。SN重視のマルチバンドフィルターのみのもの。もうひとつは画像復元処理を行ってSNを下げても、極限まで解像度を追い求めるものです。これらを最終段階でマスク合成します。


 L@RGB合成はフォトショップで行っています。自分としてはステライメージやMaxImDLを使うよりも、フォトショップの方がやりやすいと思っています。


 おおよその処理がすんだところで、印刷用とモニター用の画像処理を分けています。以前はモニター用の画像作りをし、その後印刷用にトーンの調整をする程度でした。しかし最近になって印刷用に最適な処理があることがわかってきました。モニターと印刷では、最大輝度や、色温度、ガンマなどが大きく変化します。また、モニターは72dpi程度の解像度ですが、印刷は通常300dpiです。この差によってノイズの見え方に大きな違いが生まれ、元画像に含まれるノイズの許容量も違います。大雑把に言うと、モニターは色空間が広く、ダイナミックな色再現、輝度再現が得意です。印刷は解像度が高いために、ノイズが目立ちにくい=高解像度が得られやすいという利点があります。以上の利点を生かすために、モニター用と印刷用には、別処理を行うようになりました。

 
 
 

各処理の表記


次ページからそれぞれの処理について一つずつ説明しますが、各処理の表記を以下のようにしました。一つの処理をオブジェクトと考え、入力ファイルと出力ファイルがそれぞれにあります。内容にはその処理を行うアプリケーション名と説明文があります。








  1. この書き方をしたのは、実は、ある目論見があります。
    私が使っているアプリケーションが全てCOMに対応したとき、それらをコントロールするアプリケーションを作りたいと思っているのです。このひとつひとつの処理をひとつの処理オブジェクト(関数)と考え、これらの入力と出力を自由に結んで処理を行わせます。出力ファイルを他の処理オブジェクトの入力につなぐわけです。そうすると、自動的にその指定されたとおりに処理が行われ、最後の処理オブジェクトが出力ファイルをはき出します。 これら意味のある処理オブジェクトの結びつき全体をファンクションネットワークと呼びます。つまり、ファンクションネットワークの入力が撮影画像。出力が最終的な処理結果になります。






  2. <ファンクションネットワークの例>




  3. そして、このファンクションネットワークの良いところは、その状態で、各処理オブジェクトのパラメータを変えてやれることです。パラメータを変える度に処理が行われ、常に最後の結果を見ながらパラメータを決めることが出来ます。また、一度ファンクションネットワークが出来れば、入力ファイル(撮影画像)を変えるだけで、すぐに最終処理結果を得ることが出来ます。

    いつか、実現したいアプリケーションです。