特異な形状を持つ銀河です。密度のある内側のディスクと、非常に遠くまで拡がる淡いディスクの2つの領域に明確に別れています。ディスク全体も、何かに引っ張られたようにゆがんでいますね。オリジナルサイズの画像をみてもらうとわかりますが、これは明らかに右下にある伴銀河NGC4248によるものでしょう。上から下にM106を横切り、引っ張ったように思えます。しかも、コアから伸びる2本の腕は、あまり回転していませんね。


この画像には、かすかにしか写っていませんが、銀河中央左から赤いジェットが細長く上に伸びているのが眼につきます。

more large sizeM106_files/%40M106-v03-50X-tunned-Croped.jpg

ここに細い糸のような赤い筋があります。
わかりますか?

最近になって、スピッツアーとチャンドラー宇宙望遠鏡が素晴らしい画像を発表しました。

それによると、この赤いジェットは、どうやらこの銀河の中心から伸びているようです。しかも、右下にも点対称の位置に伸びています。強烈なX線を発しているところから、ものすごい高温のガスであることは間違いなく、それが銀河の中心から出ているとなれば、これはブラックホールが原因としか考えられません。降着円盤からブラックホールに落ち込んだ物質の一部がジェットとして上下に伸びている物と思われます。しかしこんなによじれているジェットははじめて見ました。この2本のジェットも、2本の腕部と同じ曲率を描いています。同じ力学系で起きた現象だからでしょうね。



2007/4/10 © Courtesy NASA/JPL-Caltech.



青く見えているのが、X線を放つ銀河中心からのジェットです

 

別の日に撮った赤いジェットがもっとわかりやすい画像