1. 主鏡のクリーニング

  2. RCOS14.5” 2年間の汚れを落とす    2007/10/13(土)

Tips

 

水洗い開始!...でも乾燥がむずかしい


(4)シャワーで水をかけ、次にクリンビューをかける

 風呂場に主鏡を持っていき、シャワーで水をかける。汚れはまったく変化なし。そしてガラス用洗剤・クリンビューをかけます。マニュアルには、そのまま水で洗い流して、この工程を何度か繰り返すとあります。しかし、どうもガラス面についている汚れが落ちているような気がしません。




そこで思い切って、ティッシュペーパーを使うことにしました。クリンビューをかけた状態の鏡面にティッシュを軽く丸めて置き、ティッシュに水とクリンビューがしみこむのを待ちます。そしてまったく圧力をかけないで、ゆっくり鏡面を拭きました。いや、拭くというより濡れたティッシュを引きずる感じです。よく確認しましたが、それによってミラーにもキズはつきませんでした。割と硬いコーティングがされているようです。




(5)水滴が残らないように乾かす

 この段階がむずかしいです。水滴が残るとその跡が付いてしまいます。皆さんはどのようにしているでしょうか? 僕は、左の写真のようにエアクリーナーやブロアで水を吹き飛ばしながら乾かしました。本当は水玉の跡が残ったとしても光学的にはまったく問題はないのでしょうが...

 一度ここまでやりましたが、ちょっとだけまだ汚れが見えたので、もう一度(4)の工程を繰り返しました。その後の状態が右の写真です。すばらしく綺麗になりました! 前のページの掃除前とは大違いです。念のため、一晩、乾燥させた後で、元通りに組み付けを行いました。


  1. * 2008/11/23
     「精製水を使うと、水滴が一切残らない」という情報をいただきました。
      次回はぜひ、この方法を試してみたいと思います。水滴が残らないように乾かすのが1番神経を使いますからね。




(6)光軸調整

最後は、光軸調整です。

まず、望遠鏡を60度位の高度に設定します。よく使われる状態での重力のかかり方にするためです。そして、接眼部にタカハシのコリメーションスコープを取り付けます。RCOSの副鏡のセンターにある黒いマークが視野のセンターに来るように副鏡の向きを調整しました。副鏡の6つのスクリューを使います。コリメーションスコープの白い視野枠とこのセンターマークの両方にピントはこないので、ピント位置を動かしながら行います。



2次鏡の中央に少し黒いセンターマークがあるのがわかるでしょうか?


次にスパイダーにピントを合わせ、副鏡と遮光筒との間にできるギャップが等間隔になるように主鏡の向きを調整します。主鏡セル背面にある6つのスクリューを使います。この作業の後、もう一度副鏡センターマーカーがセンターに来ているかを確認しましたが、一発でOKでした。果たしてこれで本当に光軸は合ったのだろうか?


(7)星空でのテスト

夜を待って、星空でテスト...といきたいところですが、夜になっても晴れてくれません。土日を使って作業している関係で、今日帰らなければならず、仕方なく天文台を後にしました。このあたりがリモート天文台の大変なところです。現地に行った時の天候次第で作業が出来たりできなかったりです。

 

2007年10月13日(土)、14日(日)


***


 3日後の10月17日(水)、やっと晴れて、リモート操作でCCDの撮影テストを行いました。初めて星像が現れるまではもうドキドキです。駄目だったら天文台をしばらく使えなくなる。...しかし、いつもと同じシャープさで画像が現れました! いや、いつもよりシャープかもと思われるほど! ずっとこのような撮影スタイルをとっているので、このテスト露出の画像を見るだけで、星像(シーイングも含む)の善し悪しがすぐにわかります。間違いなく、OKです。

 さっそくCCDInspectorというソフトで撮影した画像を解析し、コリメーションがどの程度ずれているのかを判断しました。その結果、まったく問題のないレベルであることがわかりました。このCCDInspectorというソフトは、リアルタイムでコリメーションのずれを表示し、どの方向の調整スクリューを動かせばよいかまで示してくれます。後はまた現地に行ったときに、少しずつ追い込もうと思います。


2007年10月17日(水)