なんという銀河の数だろう! ぜひ画像をクリックして大きな画像を見てください。


ここに見えているのは星ではありません。わずかでもガス状に見えているものは全て系外銀河です。

これらは、かみのけ座銀河団と呼ばれ、距離を見て貰うとわかりますが、我々の銀河団の外側に位置する銀河の群れです。桁外れに遠いです。このひとつひとつが、近寄ればM31やM33などと同じような複雑な形状を持つことを考えると、想像を絶する膨大な構造がこの視野の中に含まれていると言えます。そんな広大な視野をみているのだと自分に言い聞かせて、この画像をみてください。


かみのけ座は、天の川から90度ほどの離角を持つ位置にあります。よって、天の川銀河のディスク(天の川)に拡がる様々な物質が邪魔になりません。この方向は、深宇宙まで見通せる宇宙の窓です。

 普通、星の位置は、赤道座標系で表されます。地球の北極と南極を軸とする座標系で、赤道が赤緯0度。北極にあたるのが赤緯90度(天の北極)、南極がー90度(天の南極)です。同じような考え方で、我々が属する天の川銀河の公転面を0度とする銀河座標系があります。それを使ってこのかみのけ座を表すと、ちょうど銀緯90度にあたり、銀河北極にどんぴしゃの位置なんですね。銀河系を構成する物質はその公転面に集まっているので、この方向は銀河系内の物質の一番薄い方向であると言えます。そのおかげでこうして遠くの銀河まで見通せるわけですね。


ということは、南極にあたる場所も存在するわけで、銀緯ー90度。秋の南天の星座、ちょうこくしつ座です。ここも同様に深宇宙を見通せる宇宙への窓。ちょうどそこには南天を代表する大型の銀河NGC253があります。

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