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2006/2M101.html
 

われわれの銀河も、このように見えているのでしょうか。

大変美しい銀河ですね。

造形的に言って、バランス感とアンバランス感が絶妙。変化がありダイナミックな形状をした銀河です。


この世の中で私たちが見ることの出来る物。他者との境界をはっきり持ち、独自の構造を持ち存在しているもの。本、テレビ、人間、家、ビル、山、地球、太陽、星団、星雲...そして銀河。宇宙の大規模構造はその全容を見ることができないとしたら、銀河は人間が見ることの出来る最大の構造物と言えます。その中でもM101は特大の銀河。私たちの天の川銀河の2倍ほどの大きさを持ちます。


この画像を見ると銀河の腕部には青い若い星が多く存在し、中心部には赤い年老いた星が集まっているのがよくわかります。典型的銀河の構造です。この何千億という星の中には惑星を持つ物があり、その中には生命を持つものもあるでしょう。この写真の向こう側に沢山の生命があると思うと不思議な気持ちになりますね。もしかしたら、向こうでもこちらを望遠鏡で見ているかもしれません。




 
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  1. 箇条書き項目3月に一度公開した時の画像も比較のために、ここに示しておきます。
    ご覧になってわかるように、カラーバランスによって、こんなにも違う作品になるのかといった感じです。
    こうして比べると一目瞭然ですが、3月公開バージョンがいかにマゼンダに色が転んでいたかがわかります。


    今回のバージョンでは、色バランスが適正にとれたおかげで、Ha領域や腕部のブルーの星々の解像度が上がっているのがわかると思います。銀河腕部のブルーもより自然な色になりました。「色が絞まる」効果ですね。

    具体的には、AutoStretchのフィルターバランス係数を、R:G:B(7.1:5.9:1.0)→R:G:B(7.1:6.6:1.0)にしました。AutoStretchでカラーバランスを行った後は、一切色に関しては、操作していません。
    今後は、このフィルターバランス係数を科学的にきちんと求める方法を確立しなければなりません。今後の課題ですね。

  2. 箇条書き項目3年ぶりの再撮対象です。
    3年を経ての、撮影技術や画像処理技術の自分なりの進歩、それがどのような差になって現れるのか、試されているようで緊張しました。まずは見比べてみてください。

      
     *2008年2月バージョン

    参考の為に、技術的な違いを表にしました。

      


    その結果ですが、もちろん新しいバージョンの方が、技術的には進歩が見られ、優れていると思います。
    解像度は1レベルアップしていますし、輝いている感じが出て、星像の描写が自然になりました。

    しかし、勢いというか、絵としての力は、どっちもどっちだなと感じました。

    いかに技術的に優れていても、そこから得られるフィールは、関係のないものだなと思います。前作は、確かに、背景を急峻に黒に落とすことによって、さまざまな不都合をごまかしていますし、妙な強調処理を感じますが、それはそれで充分成り立っているものと感じます。逆に言うと、技術的に問題があっても、良い作品が残せるということが言えるわけで、だからこそ、天体写真という行為には価値があるとも言えるのだと思いました。

  3. 箇条書き項目「カラーの彩度を不必要に上げる必要はない」というのも今回、得られた教訓です。何がなんでも彩度の高い画像を望むのではなく、清く仕上げることも美しさに繋がると感じました。

  4. 箇条書き項目シャープ処理の手順

  5. 1.L画像には、中央部に画像復元を使っています。それを(銀河中央マスク - 星マスク)で合成しています。単純な輝度マスクにすると暗黒帯が合成されません。星マスクを減算しておくことも重要です。星のエッジがギンギンになってしまいます。そうして作ったL画像を充分に調整、吟味したあとで、LRGB合成を行いました。

  6. 2.そうして出来たLRGB画像を50%に縮小。この時は、ノイズを下げる為に、「バイキュービック法(滑らかなグラデーションに最適)」を使いました。その後、シャープ系フィルターを使用。ノイズがあるままで、シャープ系フィルターを使うよりもこの方が結果が良いように思います。

  7. 3.そしてさらに、輝度マスクを使ってシャープ系フィルターをかけます。またこのマスクの反転を使い、ノイズ低減フィルターをかけます。