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 22week  2001/5/28 〜 6/1

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5月28日(月)


今週は、カゼで始まりました。朝起きると、気管支の奥が痛い。結局、だんだん悪くなり、土曜日には、ちょっと熱っぽくなる始末。ちょっと油断したのがいけなかった。

月曜日には、ファイザーさんへCGのチェックに行きました。細かな修正点はありましたが、大きな問題もなく、OKをいただきました。

この日、「月の光」プロジェクトの実際の制作が正式に始動。
まだ制作中のものですから、作品のストーリーを、ここに書くことはできません。が、大まかに言うと、僕が子供の頃の経験をもとにした話です。舞台は、屋敷森がある、田んぼの中のお百姓さんの家。

今のところ、僕が絵コンテを書き終えていて、キャラクターをいろいろと検討しているところです。そして、今日から、それと平行して、背景の作成をスタートさせることになりました。ずっと一人作業をして作ってきたものが、こうして他のスタッフにも動いてもらうようになると、完成に向けて確実に動いているなと、ちょっと安心できますね。

舞台は、昭和40年代。時代考証から始めなければなりません。その頃の風景、服、小物等、調べなければならないものは沢山あります。

そして一番しっかり感じなければならないのは、その舞台となる土地の雰囲気を認識すること。これには、実際にその場所に行って見ることが一番なので、こんどスタッフみんなでロケに行くことになりました。


皆さんは月を見て、何に見えますか?ウサキでしょうか?
僕は、物心ついたときから、笑っている女性の顔に見えます。今回のこの作品は、この認識がインスピレーションの出発点になっています。監督の立場となる僕の狙いはただ1点。このことを見た人の心に植え付けることです。

CGの完成度を上げるのは、もちろんですが、それだけではなく、映画として見た時にも、きちんと鑑賞に堪えられるものにしたいと思っています。

ハットさんから、連絡が入り、掃除機のCMの仕事を受注しました。カルピスの方は、どうやらなくなったみたいです。再来週6月11日までに仕上げ。

水曜日、電通テックさんからCanonさんのコンペ用のCG作成の依頼。
ライブ創立2年目から3年間に渡り、毎年夏にはCanonさんが毎年開発する新しいプリンターのCG制作をしてきました。しかし今年は、その製作をコンペで決めることになったそうです(こんなに毎年頑張ってきたのに、何が不満なんでしょう?)。

コンペの競合他社に対して、負ける訳には行きません。3年間やってきたプライドがありますからね。頑張らねば...。

「今までにない新しい視点でプリンターを捕らえることに留意して欲しい」
とのことなので、いろいろ工夫しましたが、残念ながらここでその画像をお見せすることはできません。悪しからず...。コンペが終わったら、機会を見てお見せします。

 

今週の仕事


木曜日、Sonyの「プロフェショナル機器内覧会2001」に、行ってきました。
会場は、東京モノレール(羽田線)の流通センター。ここは、CG黎明期にニコグラフが開催されていた場所です。今はもうニコグラフ自体もなくなってしまって、時代の流れを感じますね。

さて、ここに行った目的は、今話題の”HDCAM 24P”システム(”CineAlta”と呼ぶそうです)。
Panavisionと提携し、”スターウォーズ”では、今後フィルムは使わず、このシステムで行うということですから、そのクオリティは確かなものなんでしょう。


“HDCAM”デジタルビデオカセットレコーダー『HDW-M2000』 650万円

会場について、HDCamの画像を見てみると、さすがに精細。気持ち悪い位です。
単に解像度が上がっただけで、こんなにも映像の見え方が変わるんですね。初めてベースバンドのアナログハイビジョンを見たときの驚きが蘇ってきました。録画・再生デジタルデッキも650万円と、デジベと同程度の値段。以前から比べると、手の届くところまで降りてきたって感じですね。

考えてみれば、CGというのは、解像度無制限です。
いつのまにか、720x486というサイズが頭の中で、固定になってしまっていますが、HDサイズだって可能なんですよね。HDで動くCGは今までにも何度か目にしたことがあると思いますが、確かに、D1(720x486)と比べると、格段にデジタル臭さが少なくなりますよ。ピクセルとか、ジャギーなどが、その解像度(ppi)
<注>のおかげで、ほとんど気にならないからでしょうか?

<注>dpi と、ppi の違いって知ってますか?
dpiは、”ドットパーインチ”。1インチに白黒のドットがいくつ並ぶか?ということ。
対してppiは、”ピクセルパーインチ”。こちらは、1つのドットが色を持っている場合に使う、解像度単位なんですね。インクジェットプリンターの解像度表記を良く見ると、dpiが使われていますが、実際には、複数のドットで1色を現しているわけですから、本当のカラー画像の解像度は、それより低いものになります。

他の展示を見ようと、会場をいろいろ歩き回りました。
そしたら、あるわあるわ...。知らないフォーマットがいっぱい。ベーカム、デジベなどは、お馴染みですが、他にベータカムSX、MPEG IMXなど、主に報道用のフォーマットという物があるんですね。ベータカムSXは、何とか知っていましたが、MPEG IMXというのは知らなかった。


マルチフォーマットプレーヤー『J-3』

アナログベータカム、ベータカムSP、デジタルベータカム
ベータカムSX、MPEG IMX、の再生が可能

で、質問すると、「MPEG IMXは、デジタルベータカムとSXとの間を埋めるものです。」という答え。率直に言って、”なんで、埋める必要があるの?”って感じです。この3つは、共にデジタル記録をするフォーマットで、違いは、その転送データ量。一秒間に何メガバイトを記録していくか?ということです。それと名前どおり、MPEG IMXは、圧縮方法としてMPEGを採用し、50Mbpsだそうです。間を埋めるというよりは、これからのインターネットストリーミングを狙っているんでしょうね。

世の中の画像形態は、数年後には、”放送局→電波→テレビ”ではなく、”ストリーミングサーバー→インターネット→コンピューター”ということになっているのかもしれません。この進化がもたらすパラダイムシフトは、とんでもない...まさに文化を変える力を持っていると思います。まず、自分の好きな時間に番組を見ることができる。オンデマンドですね。ということは、過去に見た映像も自由にに引っ張り出せるわけで、ストリーミングサーバーは、巨大な動画データベースとなるのではないでしょうか?

これを見るコンピューターも、その頃にはコンピューターという名前では呼ばれない位、違った形のものになっているはずです。電話機が携帯電話になったように、コンピューターもノートブックを経てPDAサイズのデバイスとなり、最後には携帯電話と合体するのかもしれません。古くは、アップルのナレッジナビゲーターからNTTドコモの2010ビジョンまで、似たような端末が出てきますよね。液晶がペーパーディスプレイになり、CPUの消費電力が減れば、可能になるかな(AI機能を除いては...)?

こういう観点から見ると、NTTドコモ”FOMA”の方向性は間違っていません。現在は、テレビ電話としての使われ方ですが、いずれはストリーミング放送を受けるテレビ端末ということになるはずです。しかも、単なる動画放送を受けるだけではなく、PDA機能を持ったコンピューターですから、いろいろなことが出来るようになるでしょう。

そんな時代になったら、CGはどうなるか?
そうです。リアルタイムCGとして、いろいろなコンテンツ、またはインターフェースとして使われているはずです。3DCGとして動画を送るのではなく、3Dデータを送り、端末側でリアルタイムに演算表示するのが普通になるでしょう。

.CG屋は、その頃何をやっているのでしょうか?
...だからこそ、ライブはリアルタイムCGの技術を身につけたいと思っているのです。

 

 


「CG制作日誌」をスタッフノートのコーナーで始めたのが、1999年7月30日。ほぼ2年間、一日も休まず続けてたんですから、われながら偉いもんです。

その過去のページを簡単に見られるように、このページの左下に  ボタンを付け加えました。このボタンを押すと、過去のページ一覧のページにジャンプしますので、ぜひご覧ください。

これだけの過去のデータが揃うと、なんとなく、CG制作日誌を始める以前の期間も書き足してみたくなりました。そうしたら、会社設立からのすべての記録が揃うわけで、すごいじゃないですか!

という訳で、「過去のCG制作日誌、補填プロジェクト」というのを始めます。
まず、手始めに、会社設立前後の期間。1997年3月〜4月までを書いてみようと思います。過去一覧のページからもジャンプすることができますし、ここからもジャンプできます。ぜひご覧ください。

  →1997年3月〜4月28日の補填ページへジャンプ