1999/9/20 〜 10/9

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10月9日(土) 昨日の今日で今度は北海道に出張。なんと過密なスケジュールでしょう?
でも羽田を13時発の飛行機なので朝はゆっくりできました。

北海道大学に着いて、喜田先生と打ち合わせを始める時にカバンの中から筆記具を捜していると見慣れないボールペンが見つかりました。これは、先日亡くなった石井さんのものです。石井さんと打ち合わせをした時に自分が筆記具を忘れていて、石井さんがその時使っていたのを貰ったのです。形見になってしまった。大事にしないと。


石井さんから貰ったペンがカバンからでてきました。

喜田先生との打ち合わせでは、また面白い話をいろいろ聞けました。ウィルスの蛋白抗原にくっつく細胞のレセプターは体全体に分布しているのではないこと。これによって人間に対しては猛威を振るう型のウィルスも鴨にはなんの影響も及ぼさないこと。人間では気管上部にあるレセプターが鴨では腸にあるので便として排出されてしまうのだそうです。鴨が保有しているウィルスには多くの種類があり、人間に広まったら大流行を起こすのですが、たまたまレセプターの位置が違うために助かっているのだそうです。おもしろいのは、豚の鼻の粘膜には鴨と人間の両方の型のレセプターが存在しているそうで、ここでウィルスが持つRNAの再集合(組み合わせの変更)が起きると、人間に害を及ぼす新種ウィルスの誕生となるそうです。怖い話です。でも先生は、「ウィルスは油の膜に囲まれたRNAでしかない」という点を強調しておられました。戦略的に動くものではなく、単に化学的な親和性によって動いているだけだそうです。CGを作る上ではその油の膜というのが参考になりました。

帰りは、時間がなくなり千歳新空港までタクシーを飛ばしました。本当に”Pointo To Point”。北海道に行ったと言っても何もありませんでした。家に帰り着いたのは11時を回っていました。

 
帰りの飛行機の中で。心なしかみんなぐったり。

 

12:00
羽田空港で待ち合わせ
10月8日(金) 朝7時半に起きる(みんなぐったり)。今日は、ホンダのツインリンク茂木に行く。社員全員でカート対決する予定(ほとんど幹事の趣味で予定を決めてますので...)。50ccカートで3周して2分10秒を切ると90ccカートに北ショートコースで乗れるという特典つき。サイドバイサイドという小さなフォーミラーカーにも乗ろうと思っていたのですが、今日は乗れないそうです。もし、ツインリンクに行く方がいましたら事前に確認した方がいいですね。

まず手始めにツインリンクのオーバルコースでストックカーに体験試乗しました(インディーレースをやるあのコースです)。250kmで走る車をすぐそばで見ると空気を切り裂く音がすごい。またエンジンの音がすごい。みんな乗る前は心臓バクバク状態。あっ、運転するのはもちろんプロのドライバーですが(残念)。

 
ストックカーを全員体験しました。時速250kmで壁際1mは迫力満点。
カーブの横Gで血が片寄るのがわかった!

さあ、いよいよカートに乗るぞ!とコースに行くとなんと雨。みるみるうちにコースが雨粒で埋まっていく。雨が降ると走行中止になってしまうんです。今回の旅行のメインイベントがこれでなくなりました。

実はツインリンクに来たのはもう一つ目的がありました。S2000の展示用タイトルをライブで作ったのです。HONDAファンラボという展示館にそれはありました。S2000のボディーが上に上がっていって内部が見えるしかけになっていて、その動きに合わせて僕らが作ったCGが出るのですが、なんとその仕掛けが壊れていたのです!またがっかり。でも1パターンだけ見ることができました。まずはよかった。自分たちで作ったものをこうして見るのはうれしいものがありますね。

 
S2000展示全景。 右がそのUpでライブで作ったタイトルCGです。

最後に悔しいからダートトラックをみんなで走ってレースをしました。あまりスピードがでなくて欲求不満。でも、それなりに楽しめたかなー。順位ですが、日高氏が最下位。それだけ言っておきます。(1位は聞かなくてもわかるでしょ?)自分は本当にモータースポーツが大好きで、今度も鈴鹿にF1の最終戦を見に行くのですが、もし今、CGの道に入っていなかったとしたら間違いなくこっちにきてたでしょうね。もう少し、レースと出会うのが早ければ今ごろはF1レーサーですよ(自信過剰すぎ)。

帰りは水戸インターから常磐自動車道に入り、友部サービスエリアでお別れ。水戸と言えば水戸黄門。締めはやはりこの絵でしょう。

   
小さくておわかりにならないでしょうから...部分的に大きくしときました。
バカだね!

 

10月7日(木) さあ、今日は社員旅行だ。
幹事である自分が待ち合わせに遅刻してしまった。みんな寝不足だろうに、笑顔がいっぱい。それなりに楽しんでくれそうでまずはホッとする。行き先は那須です。


まずは昼食で、ビールを一杯。

驚きは夜やってきた。
泊まっている宿で、晩御飯を食べに食堂にいくと、なんと菁映社の金子君に会った(前に勤めていた菁映社の同僚)。本当にびっくりした。彼らは家族3人で遊びに来ていたのだが、なんという偶然だろう。みんなで卓球をした後、遅くまで語りあう。

 
菁映社の金子氏。卓球をしたあと中身の濃い話(飲み会)になりました。


お互いの会社のこれからの事など考えさせられる事が多かった。

なんだかんだで、寝たのは3時を回っていた。寝不足がまた加速してます。

 

10:30
東北自動車道・羽生パーキングで待ち合わせ

15:00
テニス

10月6日(水) 朝の6時まで修正作業。10時に起きて、残りの作業を始めるがその方針ではどうもうまく行きそうにない。Hプロダクションさんに電話を入れて方法を変えてもらう。後は残り時間との勝負だ。

今日は15時から打ち合わせが4つも続いている。その合間にHプロダクションさんに納品に行かなければならない。しかも16:00からの打ち合わせのCGも作らなければならないのだ。ものすごいスケジュール。昼ご飯を食べたのが17時。でもこの位からどうにかやれそうな雰囲気になってきた。Hプロダクションさんへの納品も事なきを得て無事に終わる。自分でも乗り切れたのが不思議な位だ。ライブのスタッフが全員で協力してくれたおかげです。


最終納品したCG。前回との違いが解かりますか?

さて、このめちゃめちゃな状態は一応収束したけれど、体力的には寝不足で最悪の状態。それなのに明日は社員旅行です。
社員旅行といっても休みに行くのではなく、遊びに行くわけで、それはそれで体力を消耗するでしょう。本当にすごい状態です。
社員の日高氏は、明日の為に吉田氏の家に泊まりにいくそうです。会社を出たのが11時半ですから、吉田君の家につくのは朝の4時位でしょう。おそらく睡眠3時間ほどで、社員旅行に出発ということになる。くれぐれも気をつけて。

 

15:00
DT社・Iさん来社

16:00
Ims制作プロダクション・Aさん来社

17:00
DT社・KWさん来社

20:30
Hプロダクション・納品

22:00
ME制作プロダクション・Kさんさん来社

 

10月5日(火) DVDのCMがまた新たな展開?を見せた。
来週の12日が完成ではダメになったのだ。今週中に納品しなければならない。昨日書いたように7,8,9日は使えないので、6日、つまり明日までに納品しなければならなくなった。まさに泣きっ面に蜂。どうやれば明日までに間に合うって言うんだ!

という訳で、社内を緊急体制に変えて、全員で取り組むことになりました。
今日の泊まりは4人。かなりピンチ状態。乗り切れるだろうか?

 

17:00
Hプロダクション・途中チェック
10月4日(月) 今日は大変なことになった。土曜日のDVD・CMのスポンサー試写の結果が出たのだが、内容を大幅に変更することになってしまった。それを今週中に1回チェックし、来週の12日に納品というスケジュールになってしまったのです。普通ならそれで問題ないのだけど、今週の7、8日は社員旅行。9日は北海道へ出張があるので、その前の6日に1回見せて欲しいということになりました。急遽スケジュールを組みなおし、スタッフの調整を行いましたが、やれるかどうかというスレッショルドレベル。社員旅行も行けるかどうか微妙な線になってきました。

ライブでは今、沢山のアルバイトの人に手伝ってもらっています。
アルバイトの人をいろいろ探したのですが、フリーでCGを作っている人が沢山いることを改めて知りました。社員になるより、アルバイトや個人で受注制作をしてしまう方がいいという考え方も強く、これからのCGプロダクションの形態は変化すべき時期にきているのでしょうか?制作機器が安価になったこと。CGのパッケージソフトウェア-の能力が上がってそれだけで結構な絵が作れるようになったこと...など、いろいろ環境の変化はありますが、基本的に個人で自由にやれるならその方がいいという人が多いのでしょうね。こういう人たちの方向性が将来、日本のCGをどんな方向に持っていくのか?見ものです。それらの力が集約して大きなムーブメントを作り出せればよいけど、個人主義に走ってそれだけで終わってしまったら残念だなー。

そんな中で、”自分のすべきことは何か”と考える今日この頃です。

 

11:00
DT社・Iさん来社

14:00
メビックス・菅野さん来社

16:00
長尾君来社

22:00
ME制作プロダクション・Kさんさん来社

10月2日(土) 昨日の続きです。ビジョンさんに納品に行きました。予断ですが、インフェルノで編集しているので、納品は画像ファイルをハードディスクに入れて持って行きます。時代も変わりました。


チェックに持っていったCG(なんだかわからないと思いますが...)

さて、例によって、クライアントや代理店の方がいらっしゃっている中、持っていったCGを見てもらいました。そしたら、何か反応悪いんですよ。「質感や動きの質はいいのだけと、もっと派手にやって欲しかった。」なんか残念でした。でも、その後インフェルノで画面効果をいろいろかけたら収まりがよくなり、「結構いいじゃない。」という感じにはなりました。1回目のスポンサー試写はこれでいって、その後、修正作業をしてもらうかもしれないということで落ち着きました。

ちょっと残念でしたが、編集されて、タイタニックの映画のカットに挟まれても、違和感のないものになったと思います。こちらとしては成功。意図した事は成し得ました。でも、ディレクターやクライアントさんの意向を正確に把握するのは大事なことで、気をつけなければなりません。一回目のCGでも良いところもあったそうで、それを残して欲しかったのだそうです。これ、教訓ですね。

「チェック時には悪いところだけでなく、いいところもはっきり言ってもらう必要がある。」

 

12:30
DVD・CM納品(ビジョンユニバース)
10月1日(金) 昨日チェックを受けたDVDのCMだが、「タイタニック」が題材になっていて、CMの中でタイタニックの映画のカットの間に、自分が作っているCGが挟まれて使われる。こちらで作ったカットが絵負けしていては恥ずかしい。精一杯頑張る。しかし、修正締め切りは明日。1日でどこまでクオリティを上げられるか?....という事で、当然今晩も泊まりになりました。

そんな状態でいろいろ試行錯誤して、やっと”峠の風”が吹き始めた頃、突然、電話が鳴りました(夜中の2時ですよ)。
「どうもKさんです。えーとですね、例のカットあの尺で結構ですので、それで進めてください。」これが第一声です。...ちがうでしょう!
普通は!「えっ!こんな夜中にいらっしゃったんですね。驚いちゃったよー!」でしょ。
これが業界なんですね。Kさんさんも編集で徹夜中なんだそうです。でも、同じ時間を共に頑張っている仲間がいると感じられて心強く感じました。

すっかり空が明るくなった頃、納得できるものができました。
なんとすがすがしい朝だろう。これでうまく納品が終わればよいのだが...。

 

12:00
ME制作プロダクション・Kさんさん来社
9月30日(木) CG制作者で一番大事な能力は何か?と聞かれたら、「デッサン力」と答えたい。形のデッサン。質感のデッサン。動きのデッサンなど、前から会社スタッフには話しているのだけど、最近、特に強くそれを感じる。

デッサン力とは、何を拾って、何を捨てるかという力だと思う。物の本質を見抜く力。バランス力だろう。何をやるにもこれは大事なことで、人生を生きていく上でも役にたつ。会社の経営だって同じだと思う。大局から入って要素をバランスよく配置し、その後に細部を煮詰める。そのヒエラルキーが大事なのだ。CGだって、まさにそれと同じだと思う。
”マット画”って知ってますか?映画で背景合成に使われる絵のことだけど、これはカンバス上に、適切な色を置けるかどうかが勝負らしい。細かいディティールより、その場所に適切な色を置けるかどうかで出来栄えが決まってくるそうだ。
CGはいわば空間軸と時間軸を持ったカンバスだと思う。そのどの場所に、どんな色を置くかということなのだ。まさにデッサン。このカンバスに大まかな線を描き、バランスをとり、何色を置くのが正しいのかを判断できる力。それが必要なのだ。人物を描くとして、下手な人のデッサンは目から描き始める。それもすごくリアルに。そして鼻、口と続くわけだ。そこまでやってちょっと下がって全体を見ると、ピカソの絵(悪い意味で)になっている。CGは、誰がやっても奇麗に絵の具がのるし、陰影だって完璧についてしまうので、勘違いしてしまうんだよね。

もっと遠ざかって、全体を意識しながらCGを作ってください。

 

19:00
DVD・タイタニックCMチェック
9月29日(水) 今日レンダーマンforNTのセミナーがあった。
内容がレンダーマンなので、来ている人にバラエティーがあっておもしろい。見たような人がいっぱいいた。古くから付き合いのある人にも会えた。僕らの年代で会社を起こしてやっている人って多いのでしょうか?ルーデンス・増尾さん。小川モデリング・小川さんなどに会いました。頑張ってる同志という感じです。

さて肝心のレンダーマンですが、導入はなかなかむずかしそうですね。まず、本格的な導入には、500万位かかるのではないでしょうか?それとMAXからMAXMANというプラグインを通してRIBデータを送るのですが、MAXの全ての情報(ジオメトリー、シェーダー、パーティクル)などがまだ完全に渡らないのです。また、僕らの目から見れはレンダリングの奇麗さは確かにわかるのですが、それにクライアントがいくら払ってくれるか?という問題です。リリースは11月になりそうなので、リリースされたら試験的に使わせてもらう約束をしてその場を後にしました。

それともう一つ、やなぎはらさん、ありがとうございました。
これ書いている位なら寝ればと言われましたが、その通りだね...。

 

14:00
レンダーマンセミナー
9月28日(火) 久しぶりにメタセコイヤを使ってキャラクターモデルの修正作業をした。
本当にこのソフトはいい。三角形が連続すると曲面にできない制約がなんとかならないか?という事位ですかね?後、キーボードで移動座標の制限を切り替えられると助かります。でもMAXもR3になってメタナーバスみたいなことができるようになったし、ソフトセレクションで思ったように曲面を変更できるので、MAXも捨てたものではないですね(マッピングを張りながらモデルも作れるし)。ただ、ポリゴンの扱いやすさはメタセコイヤの方がよく考えられていると思います。


みらい君です

 

22:00
ME制作プロダクション・Kさんさん来社
9月27日(月) 最近、この日誌のアップロードが毎日行われていないことに気づいている方、何人いるでしょうか?やはり、仕事に余裕がないと、なかなか毎日アップできないもんですね。でも、1日も欠かさず、日誌はつけていますので、見てくださいね。

さあ、また1週間の始まり。始まりと言うか切れ目がないのでよくわからない。このエンドレス状態はいつまで続くのか?今週は、DVDのCMと原子力発電所の締め切りがある。とりあえずはこの2つに注力することになるか?

夕方、北海道大学の喜田先生と会う(こんどの医学関係の仕事の監修をしていただいている方)。いろいろ話をお伺いしたが、目に見えないウィルスをこんなに詳しく研究している人がいるのか?という感じ。インフルエンザウィルスの話なのだが、世界中の研究機関がすべての型のウィルスを共同でサンプリングしているのは驚いた。A型ウィルスとかB型ウィルスとかいうのがあるけど、これの違いは「蛋白分子が一つ違うだけ」というのを聞いて、人間は本当に微妙なバランスの上に生きているのだと思った。

インフルエンザウィルスって知ってますか?

インフルエンザウィルスはmRNAという蛋白合成の設計図を8個持ち、それを外皮が覆っているだけの簡単な構造です。その外皮の表面には2種類の蛋白抗原が並んでいます(合計5000個位だそうです)。これが人間の細胞の表面(細胞膜)に近づくと、細胞膜にあるレセプターと呼ばれる受容体と結合します。細胞はそのエネルギーを外から取り入れる仕組みを持っており、エネルギーを持ったものが来たかどうかをこの受容体の鍵穴に入る鍵を持っているかどうかで判断しています。ウィルスはこの仕組みを巧みにだまし、さも自分がエネルギー源であるように振舞うわけです。その結果、細胞は自分の表面を変化させ、それを自分の中に取り込んでしまいます。内部に入ったウィルスは本体であるmRNAを放出します。一つの細胞に沢山のウィルスが同時に入る訳ですから、細胞の中身はいろいろなウィルスのmRNAでいっぱいになります。しばらくすると、このmRNAは複製を作り、それらの中から新しく8つのmRNAがランダムに選択されて、細胞から抜け出し、新しいウィルスとなり、増殖を繰り返すわけです。mRNAがものすごい数の順列組み合わせにより、違う種になってでてくるわけですから、これは恐ろしい動作をしていることになります。こうして新しい種類のウィルスが誕生し、ワクチンなどが効かなくなり、沢山の人が命を落とすことになってしまうのですね。

 

10:00
富士アド・篠原さん来社

16:00
Ims制作プロダクションさんで打ち合わせ

21:30
ME制作プロダクション・Kさんさん来社

9月26日(日)

今日は朝から撮影に立ち会う。(日曜だというのに...)
今回の仕事は、CGで宇宙船のバーチャルセットを作り、それと女性のキャスターを合成するというもの。20カット位の分量で、そのうち2カットがマッチムーブを使ってカメラの動きに合わせなければいけない。最近、この手の仕事がとても多いのに驚いている。

この下の写真は、アルバイトで手伝ってもらっている荒川君という人です。宇宙船のモデリングを手伝ってもらってます。後学のため今日の撮影に引っ張りだしました。この方なんと16才。それでこの貫禄ですから頼もしい限り。仕事の方も手が早く、もう少し鍛えればすごい戦力になりそう。


アルバイトの荒川君。こうして見ると監督の貫禄。

下の写真は、左側が合成前の撮影風景。雨宮さんという女の子です。「王様のブランチ」という番組に出ているそうですが、残念ながら私はしりませんでした。右の絵が撮影時に簡易的に合成をかけたものです。キャメラマンや照明の人たちが興味を持ってくれて、合成された絵をぜひ見てみたいと言っていました。

 
キャスター役を務める雨宮さん。   右は合成されたイメージです。

 

11:00
エクサさんで撮影に立ち会う
9月25日(土) 久しぶりに休みがとれた。

今日、前の会社で働いていた頃の後輩が遊びにきた。彼は、CG業界から足を洗い、なんと整体師を経て、現在はプログラマーをやっている。5月に結婚したばかりなのに7月に交通事故に遭い、顔に怪我を負っていた。いつもめちゃめちゃ元気がいいやつなのに、ちょっと静かめ。怪我のせいか?それとも大人になったか?

 
澤田君と奥さんのときえさん(手前の二人)。 「澤田、元気出せよ!」

会社をやめてからも、こうして付き合いができるのはとてもうれしい。
仕事に関係のない話もできて充実した1日でした。
(澤田君、奥さん、怪我が全快したら、また遊びにきてね。)

 

9月24日(金) 昨日は結局そのまま泊まりになる。

さまざまなテストをして本番レンダリングがスタートしたのが朝の5時半だった。レンダリングに8時間かかるとすると午後の1時半に終わるはず。しかし、レンダリングが終わったのは2時半だった。1時位に電話が入り、3時にはスポンサーが来てしまうので、それまでには持ってきて欲しいとのこと。そんなこといわれてもレンダリングは早くならない。とにかく、全てを最速でやりライブをでたのが、2時40分。こういう時が一番いやだ。「もう間に合わない」。しかも「これでOKがでるか?」という心配もある。結局スタジオに着いたのが3時半。監督さん、代理店の方、クライアントの方。全て勢ぞろいしている状態で、CGを見てもらった。その第一声が「いいじゃない。」「そうだよ、これが欲しかったんだ。」と言ってもらえた。ほっとする。その後で、もうちょっとこうならないかという要望もでたが、編集作業でどうにかできるとのことで、オムニバスを後にした。

外にでると、台風のものすごい雨。立っていられなくってそばにあった喫茶店に駆け込む。アイスコーヒーをいっぱい飲みながら、外の雨を眺めた。
この時の全てから開放された雰囲気。最高でした。

 

15:00
サクロンCM納品
9月23日(木) 夜の赤坂見附は静かだった。
青山通りの坂を上がっていき、オムニバスジャパンのビデオセンター(東北新社の前)にいったのだが、その曲がり角にソニーコンピューターエンターテイメントのでかいビルができていた。何度も来ているはずなので、見過ごしていたのだろうか?

今回のCMはパーティクルが主体のもの。胃の中に薬が溶けて広がっていくイメージを表現する。ものすごい数のパーティクルを使っているので、とてもリアルタイムでは動かない。しかもオブジェクトモーションブラーをかけるので、レンダリング時のデータ量が500万ポリゴン位になる。データ量を少なくしてテストはするのだが、やはり本番と同じ量のパーティクルを動かしてみないと本当のところの絵はわからない。これが曲者だった。
ライブではネットワークレンダリングでレンダリングを行ってる。PenIII500Mhzのデュアル1台とPenII400Mhzのデュアル2台、PenII300Mhz1台の計4台でレンダリングをしたが、それでも1回の本番レンダリングに8時間程度かかる(2秒のカットなので60枚のレンダリング時間です)。レンダリングした結果を見て、パーティクルのパラメーターを少しいじる。そしてまたレンダリングという工程を繰り返すはめになった。また、パーティクルシステムは、その機能性が一番重要なで、コントロールしたい動きを実現する機能がないと手も足もでなくなる。MAXのパーティクルシステムに欠けているのは、スピードのコントロール。またパーティクルエージなどのマッピング機能をもっと充実してもらいたいと思った。Bomなどのスペースワープも単に爆発時間のコントロールではなく、その爆発のエンベロープをコントロールできることが必要だ。今回R3になり、フォールオフマテリアルなどはこのエンベロープを操作できるようになったが、全ての対応可能な項目でこの機能を実現して欲しいところである。やはり、自前のパーティクルプラグインを持つ必要があると思った。

ビデオ編集室につくと、なんと監督さんがいない。パーティクルの動きを前回のチェック時から大幅に変えているので、OKがでるかどうか心配だった。自分でも、もう少し追い込みたい気持ちがあった。結局、結果がでないまま、ライブに帰ることになる。ライブに帰り着いたのが10時半位か?しばらくして監督から電話があり、やはりやり直すことになる。

明日の本編集まであと12時間、残されたレンダリングは1回のみ。
一発で成功させなければ後はない。

 

20:00
サクロンCM納品
9月22日(水) この間の日曜日にやっと「スターウォーズ・エピソード I」 を見た。
いろいろなところで、酷評を受けていたのでどんな仕上がりかと思ったが、とても面白かった。見た後に残る感触がとてもよく、消化不良の感も残らなかった。一つには絵作りに妥協が感じられなかったせいだろう。おかしなカットや作りこみがたりないカットが一つでもあると、その世界に没入できないから...。大人を2時間だましとおせたという感じだ。

物語は前作とどこか似た部分もあった。登場人物も同様。普通の映画なら「えっー、またー」という感じになっているはずたが、不思議に素直に見れたのはなぜだろう。アナキンがお母さんと別れるシーンなどもっと演出の仕方はあったろう。しかし、涙に流されすぎない微妙な演出をしているのだと思った。クワイガンジンがダースモールにやられて死ぬシーンだって、血の一滴も出ないではないか。これらは伝説物語の中の1つの点景を描く演出なのだと思った。どこかの評論家が、「一人のクリエーターの頭の中にある引出しには限界があるから、同じアイデアが散見されるのだ」と言っていたが、僕には、ジョージルーカスがわざとその様式に沿った演出をしているように思えてならなかった。とにかく文句なしに楽しめた映画だった。

一つだけ気にいらなかったのはジャージャービンクスをCGで作ったこと。
よくできたCGではあったが、感情移入ができない。画面でそのキャラだけが浮いているのだ。ゴーストか何かのように異質の物がそこに立っているだけで、一生懸命演技をしていても物にしか見えなかった。それに引き換え着ぐるみのクリーチャーは、人間の俳優が中にはいっているせいか、ちゃんと感情移入ができる。顔の筋肉はCGの方が精密に動いているはずなのに、ダメなのだ。まだ、演技するキャラクターを人間の一流の俳優と競演させるのは無理があるのだろう。

それで幸運なことに、今日、Alias/WavefrontのMAYAセミナーがあったのだが、その中でILM・Habib Zargarpour氏の講演を聴くことができた。StarWars・Episode1のポッドレースシーンを担当した人で、何ヶ月もかかってポッドが壊れるシュミレーションを作り上げたそうだ。いくつもの途中テイクをみていくと、その日付が徐々に公開日に近づいてきて、「えっ、こんな日まで作業してたの?」というのがあり面白かった。見て思ったのは、現場の人間は同じようなことをやって頑張ってるんだなーという事でした。

 

13:00
MAYA2.0セミナー

18:30
野島さん・田口君来社

20:00
DT社・KWさん来社

9月21日(火) 今日は朝から忙しい。続けて何件もの打ち合わせが待っていた。

午後、フリーでCG制作をやっている長尾君とあった。StudioMOMOでの仕事募集欄からホームページをたどり、知ったのだけれど、なかなか見るところのある人だと思った。なにより、作るものの雰囲気がライブと似ていた。シンプルでクリーンな感じ。会ってみても感じのよい子だった。こんな若い人たちが真剣に取り組んでいるのを見て、日本のCGも層が厚くなっていると感じる。

懸案になっていたIms制作プロダクションさんのCGに正式なGOがでる。
GOが出たのはよいけれど、これからが大変だ。規模が大きいのできちんと取り組む必要がある。外注のみなさんよろしくお願いします。

ソーテックのE-oneがAppleから起訴されている件で、仮差押処分がでた。
当然といえば当然である。ソーテックさんに言いたい。なんだかんだ言い訳する前に、あんたのとこにはプライドがないのか!と。そういう奴は大嫌いだ。誰がなんと言おうとあれはiMacの真似だ。人のアイデアを横取りしておいて、「法的にはなんの問題もない」なんて言っているけど論点が違う。恥ずかしくないのだろうか?マイクロソフト社長(でしたっけ?)なんか3人くらいで「僕らはこれを待っていた」なんてCM打つのも信じられない。Appleも嫌いだけど仮差押処分は当然だと思った。

10:00
富士アドの萩原さん来社

11:00
DT社・Iさん来社

11:30
荒川君来社

15:00
長尾君来社

18:00
DT社・前澤さん来社

19:00
メビックス・菅野さん来社

9月20日(月)

朝来てみると、昨日しかけたレンダリングマシンが落ちていて、レンダリングが終わっていなかった。締め切りは今日の13時だというのに...。

今日、広尾のPPC編集スタジオでCGのチェックがあった。その帰りはバスで新橋に出ることにした。偶然だがNL制作プロダクションシステムズの前を通った。金曜日に亡くなった石井さんがいた会社だ。「二の橋」という停留所でいつも降りていた。何度この停留所まできたことだろう。心の中で手を合わせる。

13:00
PPCでCGチェック