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 30week  2001/7/23 〜 7/27

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今週の仕事
7月23日(月)

日本は暑い。なんという暑さ...
1週間の始まりは、信じられない位(笑)、朝早い打ち合わせから始まりました。

9時45分に武蔵小杉まで行かなければならず、自宅をその2時間前の7時45分に出なければなりませんでした。「そんな驚くほど早くないじゃん。」と、お思いになるのはごもっともですが、僕らにとってこの時間はまだ夜明け前なんですね。同行したプロデューサーの方もこぼしていました。「月曜朝一の打ち合わせはやめようよ...」。ごもっともです。

今日は、バリから帰国して、初めて社員全員と会った日なんですが、ろくに話もできなかった。朝から打ち合わせで外に出ていたし、帰ってきてもいろいろな用事が溜まっていて、電話などで忙しかった。そしてそれが治まった夜にはまた別の打ち合わせで外に出てしまいました。いきなりフルパワーの一日でした。

 

9:45
Canonさんで打ち合わせ

20:00
ディーヴァさんで打ち合わせ

7月24日(火)

夕方、加藤さん来社。8月放送のテレビ番組の打ち合わせ。

最近、いろいろな人がCGを個人的に始めていると耳にします。やはりそんな時代なんですね。そんな人たちに比べて自分たちの誇れるところってどこだろう?とよく考えます。そうすると行きつくところは、個人の才能しかないんですね。だって、ソフトウェア-はまったく同じ物が手に入るんですから...。だから、組織としての物作りの強みをもっと出していけるような方法論をとらないといけないなーと思います。

作り手が増えるということは、ちょっと考えるとライバルが増えるわけだから、あまり歓迎できないと思うのは早合点で、実際は、自分たちがしていることが広く世間に認められる下地に成るんですね。そんな中で、もし、本当に自分たちに才能と力があれば、今よりもっといろいろな仕事ができるチャンスが生まれるのだと思います。

 

16:00
加藤さん来社

7月25日(水)

自宅近くに川があるのですが、朝そこで息子が釣りをしていました。彼らは夏休みなんだよな。そう言えば、最近あまり遊んでやってない。

月曜日に打ち合わせしたCanonさんの仕事で、電通テックさんがライブに来られました。

と、そこまでは普通なんですが、そこに電話が入り、今度は、別件の打ち合わせでテックさんに行かなければならなくなったのです。...変な感じでした。テックさんのオフィスに入って行くと、また先ほど打ち合わせが終わったばかりの担当の方に会ってしまって。

本当に、ここのところ打ち合わせが続きます。
それも、「こんなCGを作ってください。」というのではなく、「こんなコンセプトなので、どうにかしてください。」という物が多い。場合によっては、コンセプトを固める作業にも参加してます。それだけ、信頼されているのだとは思いますが、結構しんどいんですね、こういう作業って。

今までは、シナリオが決まっていて、ずっと”表現者”として参加していた訳ですから、ひとつ階段を上がったことになるのでしょうが、コンセプト作りというのは、たぶんに政治的、戦略的な問題が絡んでくるので、純粋にクリエーションというわけには行かないのが、つらい所です。

でもやっと、そんな局面でも、少しづつ楽しめるようになってきているので、この世界も面白いのかもしれません。

 

18:00
電通テックさん来社

21:00
電通テックさんで打ち合わせ

 

7月26日(木)

今日は、2年ぶりにある映像プロダクションの方とお会いしました。人の相性というのはあるもので、この人と話していると、もうなんでもしてあげたくなってしまう。人徳なんでしょうね。

地下鉄の広告でこんな広告を見つけました。

両国の花火が近づいたので、花火師を主人公にしてポスターを作ったのでしょう。みんな良い顔してます。このポスターを見て、”CG屋”というポスターがあったらどうだろうと思いました。僕らも職人的な誇りを持っていて、やってることは花火師さんに近いものがありますからね。

この仕事をしていて一番うれしいのは、クライアントが、自分たちのこだわった部分を正当に評価してくれた時。逆に一番悲しい時は、自分たちがこだわった部分にまったく価値観を見出してくれない時です。僕らは、仕事として、プロとして、発注者の為に、目的に沿ったCGを作っているけど、本当は、それってあんまり喜びにはならない。自分たちには、自分たちのこだわりがあって、そこをうまく表現できた時、そして、それがクライアントの要望とも合致すれば、なおさらうれしい訳です。

自分としては、どう見ても完璧にバランスがとれた隙のないCGに対して、無造作にリテークを出されると本当に耐えられない気持ちになります。こんなに気を配って作ってること。もう少し理解して欲しいなー。でもリテークが出るということはクライアントが要求していることとは違っているという訳ですから、その違いは正確に認識しておかないといけないとは思います。

しかし、ライブがここまで発展してこれた理由を考えると、何もその”クライアントが望む部分が表現できた”からではなく、自分たちのこだわりの部分が評価され、仕事が集まるようになったのだと思うのですよ。だから、世間の要望どおりに作っているだけでは、だめなのだと、皆(社員スタッフ)に言いたい。君たちのこだわりがライブを動かしているのだと、それが一番大事なことなのだ、と強く言いたいです。

...花火師のように、誇りを持って。

 

15:00
恒任企画さん来社

16:00
モノリス・矢島さん来社

 

 

映像の力

ライブは、設立時から映像制作だけでなく、マルチメディアの仕事もずっとしてきています。今思うと、その姿勢は正解で、もし今、マルチメディア関連の仕事がまったくなかったとしたら、会社の経営自体が、かなり綱渡りになっていたと思います。まあ、やれないということはないと思いますが、本当に運転資金は綱渡り状態になるでしょうね。他の映像制作だけを手がけるCGプロダクションさんはどうしているのでしょうか?

CGの制作単価は、下降の一途をだどり、チャレンジングな仕事も減りつつあります。”ハリウッド映画”という市場に支えられ、そこにお金と優秀な人材が集まるアメリカとは、逆の現象が起きてきる感じがしてなりません。日本では、ゲーム分野が一番お金と人が集まる分野で、そのゲームムービーに関しては、割とよい仕事があるようですが、それも限られたものです。また、本来最先端の映像制作を引っ張っていくはずのコマーシャルに関しても、予算はかなり削られる傾向にあり、アート的な仕掛けの大きいCMは作られなくなる傾向にありますね。

今作られているほとんどの映像は、その目的からなんでしょうけど、1から10まで懇切丁寧に全てを言い切ってしまうように作られている。マニュアル的な映像が氾濫している。本来映像とは、それだけで強い主張をもてる視覚的な力があると思うんです。普段マニュアル的な映像を作ることが多いので、そんな類のCGも作ってみたくなります。

それは、演出的に言えば、視覚的、知的な遊びに見る人が参加できる余地を残すということだと思うんですね。

先日、NHKで、スピルバーグの対談番組を見ました。
司会者の「あなたの演出のコツを教えてください。」という問いに対して彼が言ったのは、「僕は、人が考えているカットが好きだ。よく使う。なぜかって、その映像を見て、観客が、何を考えているだろうって、考えてくれるじゃないか!」 ...なるほどな、と思いました。自分の想像力の足りない部分を見ている人たちが自分自身で補ってくれるという訳です。

スピルバーグの映画ではないですが、”コンタクト”でジョディーフォスターの瞳から、1カットでトラックバックする有名なカットがあります。あれを見て感動しているのは、何もその映像そのものに対してではなく、その裏側にある主人公の思いに感動しているのであり、そしてそれは、自分の頭の中で作り出した”思い”に他ならない。

美しい花は何も語らない。
そこに、あるだけで人の心をふるわせる。

そんな映像が作れたら本望です。